スリジェ・トピックス(第12回:2005/06−07)

          第12回トピックは、デザートのお話です

 第5回のトピックに引き続き、基本の生地、ソース、クリームの説明を致します。前回は折り込み生地のお話しをしましたが、今回は、練り込み生地を中心にご説明します。


練り込み生地の種類と特徴

練り込み生地には、パート・ブリゼ、パータ フォンセ、パート・シュクレ、パート・サブレの三種類があります。


パート・ブリゼ、パータ フォンセは、小麦粉にバター、卵黄、塩、水等を合わせて練り上げるので、生地に弾力があり、形崩れしにくい。(卵を入れない配合もある)又、砂糖が入らず、バターの割合が少ないので、風味にやや欠けるが、パート・シュクレ、パート・サブレに比べると、粘りがあり、焼き上がりが、崩れにくく、中に詰め物やクリーム等を流し入れて焼くのに向いています。

パート・シュクレは、シュクレ(砂糖入り)の名の通り、砂糖とバターがたっぷり入った生地で、水は使わず、卵黄でまとめるので生地に粘りが無く、焼き縮みも少ない。焼き上がりは、もろくて,崩れやすいのが特徴で、この生地の美味しさでもあります。

パート・サブレは、作り方はパート・シュクレとほとんど同じですが、配合が多少異なり、主にサブレ等のフールセックに使われる事が多く,絞り出して使う場合と伸ばして型抜きする場合とで、配合、合わせ方が変わってきます。

 
Pâte brisée(パート・ブリゼ)の基本配合と作り方
材料
 小麦粉 250g、バター 125g、卵黄 1個、塩 5g、水 50cc
作り方
 @篩った小麦粉を台の上に広げ、細かく刻んだバターを加えます.両手で軽くもみほぐすように混ぜます。
 Aフォンテーヌ〈泉〉状に広げ、中央に卵黄、塩、水を入れ、指先でよく混ぜ合わせ、ひとまとめにします。更になめらかな状態になるまで練り丸くまとめます。
 B硬く絞ったぬれ布巾で生地を包み、冷蔵庫に入れてねかしてから使用します。

           * 卵黄の入らない配合、砂糖の入る配合もあります。


Pâte à Foncer(パータ フォンセ)の基本配合と作り方
材料

小麦粉 300g、バター 180g、塩 9g、砂糖 15g、水 100cc
作り方は、パート・ブリゼと同じです。 
        * この生地も卵黄の入る配合もあります。


Pâte sucrée(パート・シュクレ)の基本配合と作り方
材料

小麦粉 250g、バター 200g、砂糖 75g、卵黄 1個、塩 少々
作り方
 @ ボールにバターを入れポマード状になるまで練り、砂糖、塩を加え、全体が白っぽくなるまで充分に混ぜ合わせます。
 A 卵黄を加え更に混ぜ合わせます。小麦粉を加えすばやく混ぜ合わせ、ひとまとめにします。
 B ち粉をした台の上に取り出し、表面がなめらかな状態になるまで練ります。
 C 固く絞ったぬれ布巾で包み、冷蔵庫で冷やし、固めてから使用します。

     * アーモンドプードルを入れたり、ベーキングパウダーを加える配合もあります。

 
Pâte sablée(パート・サブレ)の基本配合と作り方
材料
 小麦粉 250g、バター 150g、砂糖 100g、卵黄 2個、塩 少々作り方

パート・シュクレと同様に作り、同様に冷やし固めてから使用する。

 

練り込み生地を使った季節のフルーツのタルト   1台 ¥840より


          “スリジェ”の、焼き菓子達


*次にデザートで、比較的、使用頻度の高いクリームとソースの基本配合と作り方を取り上げてみます。

一番よく使うのは、クレム・アングレーズ(カスタード ソース)、クレム・パティシエール(カスタード クリーム)、クレム・シャンティイ(ホイップ クリーム)、クレム・ガナッシュ(ガナッシュ クリーム)、クレム・ダマンド(アーモンド クリーム)、ソース・サバイヨン(サバイヨン ソース)、ソース・オ・カラメル(カラメル ソース)、ソース・オ・ショコラ(チョコレート ソース)、ソース・オ・フリュイ(フルーツ ソース)等です。

Crème anglaise クレム アングレーズ
材料
 牛乳 500cc、卵黄 4個分、砂糖 100g、ヴァニラ 1本
作り方

 @鍋に、牛乳,縦半分に裂いたヴァニラ,1/3量の砂糖を入れ、ときどき掻き混ぜながら、沸騰直前まで温め、蓋をして暫く置いておきます。
 Aボールに卵黄、残りの砂糖を入れ、白くなるまで良く掻き混ぜます。
 BAに@の牛乳を少しずつ加え、混ぜ合わせた後、別のボールに漉します。
 CBを湯煎にかけ、ボールの底、周囲を絶えず混ぜながら火を通します。
 Dボールを冷水につけて、あら熱を取ります。
     *鍋に入れ、弱火で火を通しても良い。
     *温かい状態、冷たい状態でケーキ、デザートのソースとして使用します。
     *作る時の注意点は、火を通し過ぎると卵黄が固まって分離するので火かげんに注意する事。
     *アングレーズ・ソースに、コーヒー、チョコレートを加えたり、リキュールで香りを着けたりする事もあります。

Crème Chantilly クレム・シャンティイ
  生クリームに砂糖を加えてかき立てたクリームで通称“ホイップ・クリーム”。
材料
 生クリーム 1L,グラニュ糖 100g
作り方

 @このクリームは、ボールに生クリームと砂糖を入れ,氷を入れたボールの上に乗せ,かき立てます。
     *かき立て方によって、仕上がり状態が変わってきますので、きめ細かい泡立ちにするには、低温でホイップする事。
     *使用頻度は高く、スポンジ生地の間にサンドしたり、塗ったり、絞り出しでデコレしたり、他のクリームと混ぜ合わせたり用途は広く、使用目的によってクリームの固さを調整してください。
     *このクリームもカスタード・ソースと同様にコーヒー、チョコレート、フルーツ・ピュレーを加えたり、お酒で香りを着けたりする事もあります。

砂糖は粉糖を使用しても良い。

Crème Ganache クレム・ガナシュ
 生クリームに、チョコレートを溶かし混ぜたクリーム。用途は、スポンジ生地にサンドしたり、コーティング、トリュフ等の芯にも使用する。
材料
 生クリーム 1L,チョコレート 1kg
作り方
 @チョコレートは、予め細かく刻んでおきます。
 A鍋に生クリームを入れ火にかけ沸騰させて火を止めます。
 B@に加えて良く混ぜ合わせ、チョコレートを溶かし、目の細かい裏ごしを通し、荒熱を取ってから使用します。

*生クリームとチョコレートの持つコク,香り,口当たりのなめらかさが特徴です。

*ラム酒やリキュール、ブランデー等で香りを着けたり、バターを加えても良い。

     *チョコレートはスイート・チョコレートを使う事が多いが用途によって、量は調整する。

Crème d’ Amandes クレム ダマンド

 アーモンド・クリームの事でパイに詰めて焼いたり、カスタード・クリームと混ぜて詰め物にしたりして使用する。
材料

 バター 125g、砂糖 125g、卵 2個、アーモンド・プードル 125g、小麦粉 25g、ラム酒 20cc、アーモンド・エッセンス 少々
作り方
 @ボールにバターを入れ、ポマード状になるまでかき立て、砂糖を加え、更に白くなるまで混ぜ合わせます。
 A@に溶きほぐした卵を少しずつ加え更に混ぜ合わせます。
 BAに合わせて篩ったアーモンドプードルと小麦粉を加え、ラム酒、アーモンドエッセンスを加えて混ぜます。
       その他、マロン・クリーム、レモン・クリーム、フランジパーヌ・クリーム、クレム・ムースリヌと色々ありますが、別の機会に紹介します。

      
次にデザートで良く使うソースの種類と作り方をご紹介します。

Sauce Sabayon サバイヨン ソース
 代表的なソースで,特に温かいデザート類に使用します。
材料
 卵黄 3個、砂糖 40g、白ワイン 100cc
作り方
 @ボールに卵黄と砂糖を入れ、白くなるまで良く混ぜ合わせます。
 A@に白ワインを少しずつ加え混ぜ合わせ,湯煎にしてかき立てます。
 B気泡を含んでとろりとした状態になったら、湯煎からはずし、荒熱が取れるまでかき立ててから使用する。
      *風味着けにコニャック、キルシュ、ラム酒、リキュール等を使用する場合もあります。又、ホイップした生クリームを加えてフルーツ グラタンのソースに使用したりします。

Sauce au Caramel ソース オ カラメル
 キャラメル・ソースの事で、独特の香ばしさがあり,濃い黄金色のソース。

良くご存知のカスタード・プディングに使用したり、アイスクリーム、ムースに加えたり、そのままソースとして使用します。
材料
 砂糖 150g、水 75cc、
作り方
 @厚手の鍋に砂糖と水50ccを入れ、火にかけ煮詰めます。
 A濃い黄金色(150度C)になったら火からおろし、冷水に鍋の底をつけて、荒熱を取ります。
 B残りの水を加え再度、火にかけ濃度を調整します。
      * Bの工程で水の代わりに牛乳や生クリームを加える場合もあります。

Sauce au Chocolat ソース・オ・ショコラ
 チョコレートの風味豊かなソース。
材料

 チョコレート(スイート) 250g、牛乳 100cc、生クリーム 80cc、バター 40g
作り方
 @チョコレートは予め細かく刻んでおきます。
 A鍋に牛乳、生クリームを入れ温め,刻んだチョコレートを加え,溶かします。
 Bバターを加え仕上げます。
      * 水あめ、砂糖を入れる配合もあります。
      * ヴァニラやリキュールで香りを着けても良い。
      * このソースは冷えると固まりやすいので、常温または温かい状態で使用する場合が多い。


Sauce aux Fruits フルーツ・ソース
 バヴァロア、ムース、アイスクリーム等の冷たいデザート,菓子に使用するソース。出来るだけ旬の新鮮で完熟したフルーツを使用するのが望ましいが、シロップ煮、冷凍ピュレ、ジャム、ゼリー等で代用しても良い。使用するフルーツは沢山あるが代表的な物は、苺、木苺、アプリコット,柑橘類、りんご、キウイ等。それぞれ糖度、濃度が違うので、加熱してとろみを付けたり、砂糖の量を調整する事。ここでは苺のソースを例にご紹介します。
材料
 苺 200g、砂糖 100g、レモン汁、キルシュ
作り方
 @苺のヘタを取り、水洗いし、良く水気を切って、裏ごしします。
 A砂糖又はシロップを加え、レモン汁、キルシュで香りを着ける。

* 加熱したり、ミキサーでまわすと、色が変わりやすいので注意してください。

 

以上、パート、クリーム、ソースの代表的なものを書き出してみましたが、この他にも限りない種類、配合があります。ここにご紹介したのは、あくまで一つの例ですので他の文献も参考にしてください。


       次回のトピックは夏の冷たい料理のご紹介を予定しております。