2005年8月-9月 スリジェ・トピックス

今回のトピックは、これから夏に向かって、食欲の無い時等におすすめの冷製料理をご紹介します。前菜、デザートには、冷たいメニューが数多くありますので、ここではスープ、メインディシュのお魚料理、お肉料理を取り上げてみます。長年、色々な料理を作っていて気が付くのは、同じ料理を作っても温製料理より冷製料理の方が味付け,特に塩味の塩梅が難しいように思います。たとえば、温かくてちょうど良い味かげんですと、同じ物を冷たくして召し上がると、一味足りない間の抜けた料理になってしまいます。ちょっと味が強いかなと思う頃合いが、味の決め手になります。温かい料理は、その都度、後からでも塩を加える事が出来ますが、冷たい料理は後から加えても、味がなじみませんので温かい状態の時に調度良い味加減に決めて下さい。何度も作っていると加減が解かってくるでしょう。

先ず最初に代表的なスープを三品、紹介いたします。

Crème glacée à la ‘Vichyssoise’ ポロ葱とポテトの冷製クリーム・スープ

 じゃがいもとポロ葱のピュレに生クリームを加えた冷製ポタージュ。野菜が豊富なヴィシー地方で考案された料理で、セルリ、トマトを入れる場合もあります。

材料;ポロ葱 500g、玉ねぎ 300g、ジャガイモ 2kg、フォン・ブラン 1L,塩、粒胡椒、月桂樹の葉、生クリーム 1L,牛乳 100cc、バター 120g、シブレット 少々。

作り方;
  @ ポロ葱、玉ねぎを薄切りにして、バターで色着けないように炒め、フォン・ブランを加え、沸騰させ、ジャガイモ、香料を加え40分間煮ます。ムーラン又は裏漉し器にかけピュレにします。
  A 生クリーム,牛乳を加え、味を整え,冷まします。冷蔵庫で良く冷やし、もう一度、濃度、味を調整し、グラスか冷たいカップに入れ、シブレットのみじん切りを散らし供します。
     * ピュレの状態で冷やし、生クリーム,牛乳を加えても良い。

 


Gaspacho スペイン風 野菜の冷製スープ

 南スペイン、セビーリャ地方発祥の冷製スープで、火を通さないビタミンたっぷりの飲むサラダのような物です。暑い食欲の無い時などにぴったりのスープです。

材料;トマト 5個、ピーマン 4個、玉ねぎ 1個,胡瓜 2本、セルリ 1本、大蒜 2片、食パン(白い部分)100g、オリーヴオイル、シェリーヴィネガー,トマトジュース 120cc、ミネラルウオーター 適宜、塩,胡椒、カイエンヌ・ペッパー。 ガルニチュール用;胡瓜、トマト

作り方;

  @ トマトは、湯むきをして、皮、種を取り除き、ピーマンはへたと種を取り除き、荒切りにします。胡瓜、玉ねぎ、セルリ,大蒜は皮をむいて同様に切ります。食パンは白い部分を細かくちぎっておきます。
  A @の材料をボールに入れ、オリーヴオイル、シェリーヴィネガーを加え、良く混ぜ合わせ、1時間、冷蔵庫で休ませます。
  B ミキサーにAの野菜、トマトジュース、ミネラルウオーターを入れ回し、なめらかな状態に混ぜ合わせ、塩、胡椒、カイエンヌ・ペッパーで味を整えます。冷蔵庫で良く冷やします。
  C 浮き身用のトマト、胡瓜は小さい角切りにします。
  D ガラスの容器か冷たくしたスープ皿にスープを入れ,Cのガルニチュールを散らし供します。
     * 水の代わりにコンソメスープを使用しても良いでしょう。
     * ミキサーで回した後,裏漉しにすると、キメが細かくなり口当たりが良くなります。




Crème glacée aux Avocats   冷製、アヴォカド・スープ

アヴォカドの爽やかな緑色は、涼感を誘う、最高のアペタイザーです。



材料;アヴォカド 4個、コンソメ・スープ 300cc、牛乳200cc、生クリーム 100cc、レモン汁 1/2個分、塩、胡椒、カイエンヌ・ペッパー 適宜。

作り方;

  @ アヴォカドは良く熟したものを選び、縦に切り込みを入れ、種を取り除きます。果肉が変色しないように、レモン汁をふりかけながら、少量を浮き身用に丸いくりぬき器で抜いておきます。残りはスプーンできれいに、すくい取ります。
  A アヴォカドの果肉と残りの材料をミキサーに入れ,攪拌します。濃度がつきすぎていたら、水又は牛乳、コンソメ・スープで調整し、なめらかな状態にします。塩、胡椒、カイエンヌ・ペッパーで味を整え、冷蔵庫で良く冷やします。
  B 良く冷やした器にアヴォカド・スープを入れ,小さくくり抜いたアヴォカドを浮き身にして供します。
    * 蟹の身、海老、トマト等を浮き身に使用すると,一層、豪華なスープになり見た目も鮮やかになるでしょう。

次にメインディシュとして,使用できる冷たい魚料理、冷たい肉料理をご紹介します。

冷たい魚料理は、前菜としてマリネ、エスカベッシュ、テリンヌが良く知られていますが、ここではメインとしてのブイヤベースのゼリー寄せを取り上げてみます。

                Bouillabaise à la Marseillaise en gelée
                 マルセイユ風ブイヤベース、ゼリー寄せ

 この料理は本来、スープ仕立ての魚料理で、冬の寒い日にいただく鍋料理ですが、ここでは夏の冷たい料理として作ってみます。日本料理にも魚の煮こごりを利用した料理がありますが、フランス料理の場合も魚のゼラチン質を利用して作りますので出来るだけ、骨付きの魚を使用することが前提となります。

材料;ほうぼう、カサゴ,オコゼ等の岩礁にすむ深海魚、あなご、まとう鯛,鮟鱇、スズキ等、2,5kg、ムール貝,伊勢海老、玉ねぎ 2個、ポロ葱 1本、トマト 2個、大蒜 2片、フヌイユ、タイム、月桂樹の葉、オレンジの皮、オリーヴ・オイル、サフラン,塩、胡椒

                 

作り方;
  @ 魚のうろこを取り、内臓を取り出し、頭と胴体に分けます。頭は二つに割り水にさらしておきます。胴体は筒切りにします。ムール貝はきれいに洗い、伊勢海老は二つに切ります。
  A 大きな容器に@の魚、貝、海老、サフラン、オリーヴ・オイルを入れ、マリネしておきます。この間に魚の頭で魚のだし汁を取ります。
  B 鍋を熱し、玉ねぎのスライス切り、ポロ葱の千切り、大蒜のみじん切りをオリーヴオイルで炒めます。湯むきしたトマトの身のぶつ切り、サフラン、フヌイユ、タイム、ローリエ、オレンジの皮、魚のだし汁を加え、沸騰させ、先ず、身の固い魚を加えて煮ます。次に身の柔らかい魚、海老、貝を加え、約5分間煮ます。
  C 
別皿に魚貝、野菜を取り出し、冷まします。スープの味を整え、少量を皿に流し、冷蔵庫で冷やし固め、ゼラチンテストをします。もし固まりが悪いようでしたら、水で戻したゼラチンを加え,調整します。
  D 大きいキャセロールかガラス皿に魚貝、海老を盛り、野菜を散らします。ゼリースープを3回位に分けて流し全体にゼリーで艶が着く様にし、冷蔵庫で冷やし固めます。
  E 温かいブイヤベースと同様に、召し上がる時には、ガーリック・トースト、ソース・ルイユ又はソース・アイオリを添えます。
     * 供する直前にオリーヴオイル、パスティスをふりかけてもよいでしょう。
     * アイオリ 大蒜を加えたプロヴァンス地方独特の、オリーヴオイルベースの乳化ソース
     * ルイユ プロヴァンス地方独特のブイヤベース用乳化ソース。パンや魚に塗って食べたり、スープに混ぜて飲む。

                   

次に冷たい肉料理を紹介します。

冷たい肉料理には、ポピュラーな物には、ハム、生ハム、パテ、コンフィ等、オードヴルとして使用する豚肉製品が多くあります。その他、牛肉の料理も数多くありますが、ここではさっぱりした鶏料理のご紹介です。

Suprême de Volaille au Vinaigre en Gelée
       鶏胸肉のワイン・ヴィネガー煮、ゼリー寄せ

材料;鶏胸肉 4枚、鶏ガラ 1羽分、小玉ねぎ 12個,人参 1本、赤ワイン・ヴィネガー450cc、フォン・ブラン 1,5L,ブケ・ガルニ 1本,浅つき、塩、胡椒。
澄まし用材料;セルリ 50g、トマト 75g、人参の屑50g、 玉ねぎ 60g、卵白 2個分、ゼラチン5g
付け合せ材料;ポテトサラダや豆類のサラダが合うでしょう。

作り方;
  @ 鶏の筋を取り除き、両面に塩、胡椒をします。鶏ガラは小さくブツ切りにし、オーヴンで焼いておきます。人参は小さく切り、面取りをし、小玉ねぎは皮を剥いておきます。

  A 大きな鍋に油を熱し、鶏肉を炒め、両面にきれいな焼き色を着けます。肉を取り出し、小玉ねぎ、人参を炒め軽く色着いたら取り出します。次に鶏ガラを入れ、ワイン・ヴィネガーを加え,鍋の底に付いた旨みを煮溶かします。再び、鶏肉、小玉ねぎ、人参を戻し、ブケガルニを加え、沸騰させ、アクを取り除いてから、蓋をして200度のオーヴンに30分間入れます。

  B 煮上がったら、鶏肉、小玉ねぎ、人参を取り出します。残りの煮汁にフォン・ブランを加えアクを取り除きながら,約10分間煮詰め、布で漉します。

  C 澄まし用の野菜を小さく切り、卵白を加え良く混ぜ合わせ別の鍋に入れます。Bの煮汁を少しずつ加え混ぜ合わせ、ゆっくり煮ます。煮汁が透明になり卵白が固まってきたら弱火にして、水に戻したゼラチンを加えます.再び布で漉して味を整え、冷まします。

  D 鶏肉は1枚を5、6枚のそぎ切りにし、器に並べ,小玉ねぎ、人参を盛ります。Cのゼリーに浅つきのみじん切りを加え、鶏肉の上から静かに3回に分けて流し入れ、冷蔵庫でひやし固めます。供する時にポテトや豆類のサラダを添えます。
       * 煮汁を澄ます時、卵白が焦げ付きやすいので、絶えず混ぜて下さい。
       * ワイン・ヴィネガーは好みで米酢に替えてもよいでしょう。

       今回ご紹介した料理は9月のイベントでコース料理にしてご案内いたします。