スリジェ・トピックス(第5回:2004/10)

第5回トピックは、お菓子とデザートの話です。

先ず、最初にフランス菓子の中で最も使用度の多いクリーム、生地の配合と作り方を説明し、その生地、クリームを使って、スリジェのスペシャリテであるタルト・タタンミル・エ・ユンヌ・フュイユをご紹介いたします。

Crème Pâtissière    クレム・パティシエール

 カスタードクリームと言い。フランス菓子では、一番幅広く使われるクリームの一つで用途は広い。シューやタルト類の詰め物にする他、スフレ等のベースにも使います。ここでは小麦粉だけを使用していますが、小麦粉の代わりにコーンスターチを用いたり、小麦粉とコーンスターチを混ぜて使う事も出来ます。作る時の注意点は、粘りを出さない事です。(基本的な配合ですので、他のレシピも参考にして下さい。)

材料

牛乳 500cc、砂糖 200g、卵黄 6個、小麦粉 60g、ヴァニラビーンズ 1本

作り方
 @鍋に牛乳、半分に裂いたバニラビーンズを入れ、沸騰直前まで温めた後、蓋をして
5分間位置く。
 Aボールに卵黄、砂糖を入れ、白っぽくなるまでかき混ぜ、篩った小麦粉を加えさっくりと混ぜ合わせる。

 BAに@の牛乳を少し加え混ぜ合わせ、全体に良くなじんだら残りの牛乳を加え、更に良く混ぜ合わせ、裏漉し  にして鍋に移す。
 C中火にかけ、木べラで鍋の底や周囲を絶えずかき混ぜ、とろみが付くまで煮る。
 Dクリーム状になったら、火から外し泡だて器で強く混ぜ、滑らかなクリーム状に仕上げた後冷ます。


Pâte Génoise    パート・ジェノアズ


その名の通り、焼き上げると海綿(スポンジ)状に膨らむのでスポンジ生地とも言い、洋菓子の中でも最も基本的な生地です。

主材料として最低三つ、小麦粉、卵、砂糖が必要で、この三つの材料の持ち味を生かして作ります。粉は、焼き上がりを軽く膨らませるためにグルテンの膜が弱くて少ない薄力粉を使用します。卵は、全卵を泡立てる共立て法と、卵黄と卵白を分ける別立て法という二つの作り方があります。

共立て法の特徴は、時間と労力は掛かるがしっとりとしてきめの細かいスポンジに仕上がります。別立て法の場合は共立て法に比べて少ない労力で泡立ちやすく時間も少なくてすみ、失敗が少ないのが特徴です。

砂糖は甘みをつけるだけでなく、保水性があるので、卵の泡の安定度を高めたり、生地をしっとりさせたり、スポンジに香ばしさと焼き色をつける役割があります。

生地の種類には三つの材料にバターを加えるか加えないかで大きく二つに分けられます。バターを加えないスポンジ生地をビスキュイ(ビスキュイ生地)、バターを加えるスポンジ生地をジェノアーズ(ジェノアーズ生地)と言います。

二つの特徴は、ビスキュイが卵の風味が良くて軽い仕上がりになるのに対して、ジェノアーズは卵の風味にバターの風味が加わるため、コクがありしっとりとしています。

*両方の生地とも、小麦粉にココアやコーンスターチ、ナッツ類等の粉末を加えて作る事もあります。

*卵の立て方は生地の種類によって変えている場合が多いと思います。


ジェノアーズ生地の基本配合


材料;7号型1台分

砂糖 125g、卵 4個、小麦粉 125g、バター 40g。

 供立て法の作り方

@     ボールに全卵を入れ、良くほぐしてから砂糖を加え、湯煎にかけ人肌程度に温まるまで泡立てます。

A     人肌程度になったら、湯煎からはずし、更に泡立てリュバン状になるまで泡立てます。

B     篩った小麦粉をAに入れ、木ベラで切り込むように、全体を良く混ぜ合わせます。

C     溶かしバターを加え、すばやく混ぜ合わせます。

別立て法の作り方

@     卵黄と卵白に分けます。

A     ボールに卵黄、2/3量の砂糖を入れ白っぽくなるまで充分に掻き立てます。

B     別のボールに卵白を入れ、泡立て、残りの砂糖を加えメレンゲを作り、少しAに混ぜ、
良くなじませてから、残りのメレンゲとさっくりと混ぜ合わせます。

C     良く篩った小麦粉をBに加え、切り込むように全体を良く混ぜ合わせます。

生地の焼き方

@     型の内側にバターを塗り、小麦粉を振り、余分な粉をはたき落とすか、小麦粉を着けずに
底と側面にペーパーを敷きます。

A     出来上がった生地を流し入れ、型を台の上に軽く落とし、中の空気を抜いて生地を落ち着かせ、
予め
180℃に温めておいたオーヴンに入れ、約35分〜40分で焼き上げます。

B     焼き上がったら、型から出して、金網の上に乗せ、荒熱を取ります。


Pâte feuilletée,Pâte feuilletage パート・フォイエツテ、(フォイタージュ)
折込みパイ生地

フォイユ(feuille)とは木の葉と言う意味で、パート・フォイエッテは焼き上げると非常に薄い層が幾重にもできる、それが丁度木の葉を何枚も重ねたような状態になるところから、この名前がつけられたと思います。パート・フォイエッテは小麦粉とバターを主材料にして、小麦の層とバターの層とが何百層にもなるように作ります。焼き上げると薄い層が幾重にも出来るのは、中に含まれている水分が水蒸気になって小麦粉の層を持ち上げ、バターは溶けて小麦粉の層に吸収され、層と層との間に隙間が出来て膨らむからです。そして、この膨らみによってパイにボリュームが出て、折り込みパイ特有のもろくてポロッと崩れる様な、軽い口当たりが生まれます。

パート・フォイエツテの作り方

材料

薄力粉250g  強力粉250g 塩 5g  溶かしバター 50g  225cc  バター 450g  ビネガー 25cc

作り方
  @     ボールに篩った小麦粉を入れ、塩、水、酢、溶かしバターを加え、周囲の粉を崩すように
    揉み解しながら、生地をまとめ(耳たぶより少し固め)、滑らかになるまで捏ねます。

  A     @を固く絞った濡れ布巾で包み、冷蔵庫でねかします。
  B     予め冷やしておいたバターを麺棒で叩きながら厚さ1p、A生地で包めるくらいの大きさに整えます。
  C     Aの生地を打ち粉をした台の上に取り出し、Bのバターが包める大きさの正方形に整えます。
  D     Cの生地の上にBのバターを置き、周囲にはみ出している生地でたたんで包み、合わせ目を
    しっかり重ねます。(生地を十字型に伸ばしてバターを包んでも良い。)

  E     生地を長方形に伸ばし、手前から1/3のところで向こう側に折り、向こう側からも手前に
    折って三つ折にします。

  F     Eの生地の向きを90度変え、再びEの作業を繰り返します。
      同様に固く絞った濡れ布巾を被せ、冷蔵庫でねかします。
  G     用途に応じてEFの三つ折り2回の作業を後1回(三つ折4回)か2回(三つ折6回)行います。

  * 以上、紹介した生地のクリームの他にも比較的良く使用する生地はPâte brisée パートブリゼ、Pâte Sucrée パートシュクレ、Pâte Sablée パートサブレ、Pâte à choux、パータシュウ、発酵生地、アングレーズソース等がありますが別の機会にご紹介します。

“タルト・タタン”の作り方




“ミル・エ・ユンヌ・フュイユ”の作り方