第18回トピックは“エスカルゴ料理”のお話しです。

現在ではエスカルゴは比較的ポピュラーな食材になってきましたが、一昔前には、フランス料理って、かたつむりまで食べるの?と不思議がられていました。フランス料理と言えばトリュフ、フォワ・グラ、キャヴィア等の高級食材をすぐに想像しますが、エスカルゴも又、フランス料理を代表する食材の一つであり、塩茹でにしてから調理したり、煮込み,殻付きのまま焼いたり、、、とフランス料理のオードヴルには欠かせないものです。料理の分類としては魚料理の部類に入り、日本での“さざえ”の食べ方に似ています。

特徴

日本では、一般にかたつむりで通っているが、でんでんむし、かいつむり、まいまい等とも言います。軟体動物のカタツムリ科に属する。世界各地に分布して、種類が大変多くて2万種以上あります。体は粘液で潤っており、殻をつけている。その殻の多くは右巻きです。目は長い柄の先にあり、目の間にはこぶがあります。口には顎板、歯舌があり、これが分類上の特徴でもあります。雌雄同体で両方の生殖器官をもっています。

エスカルゴの品種の中で食用にするのは、黄褐色の殻をしているブルゴーニュ種と、それより少し小さく,灰褐色の殻をしたプティ・グリ種です。栄養価は低く、消化の悪い肉ですがビタミンCが多く、カルシューム、マグネシューム等の無機塩類等を含んでいます。

エスカルゴの食べ頃は、冬眠に入る直前。冬が近づくと砂を含んだ石灰質を分泌し、これが乾くと漆喰のような蓋になって、冬眠準備完了です。この頃のエスカルゴが最も脂が乗って美味しい。ただし、天然のエスカルゴは調理する前の12日間、絶食させる必要があります。これは有毒植物を食べている可能性があり、エスカルゴにとっては無害でも人間にとって有毒である場合もあるからです。

流通

エスカルゴは菜食、特にぶどうの葉が好物なので、おのずとぶどう畑の多いワインの産地と重なります。現在ではぶどう畑に農薬を使用するので、天然のエスカルゴを取るのはまれであり、食用にする物はほとんどが養殖物です。フランスについで中東などでも、養殖されています。日本でも養殖されていますが、ほとんどが輸入物に頼っているのが現状です。数年前までは缶詰物しかなかったのですが、現在では冷凍物も多く輸入されています。

主な産地、及び品種

Escargot de Bourgogne (ブルゴーニュ種)
ブドウ畑のエスカルゴ « escargot de vignes »とも呼び、成長した殻の大きさは4〜4.5cmで、黄褐色の地に茶色の縞模様があり、ブルゴーニュ地方、フランシュ・コンテ、サヴォワ、シャンパーニュの各地方で多く産します。

Petit-Gris (プティ・グリ種)

成長した殻の大きさは3〜4cmで茶色がかった地に灰褐色の渦巻き模様があります。プロヴァンス、シャラント、ラングドック、シャンパーニュ、ブルターニュの各地方で多く産する。シャラント等、西フランスでは、カグイユ 。ポアトゥー地方では、リュマと呼び、身が絞まっていて味が良い。

Caviar d’Escargots (キャヴィア・デスカルゴ)

エスカルゴの種類ではありませんが数年前,流行ったのですがエスカルゴの卵を白いキャヴィアに見立て使用しましたが現在ではあまり見なくなりました。


エスカルゴの下処理

エスカルゴの殻の入り口の蓋を取り除き良く洗います。粗塩,酢、小麦粉少々に約2時間漬けてアク抜きをし、再度,洗ってぬめりを取り、5〜6分茹でます。水分を切ってから冷まし、排出腔を取り除きます。鍋に入れて白ワインと水同量をひたひたまで注ぎ、人参、玉ねぎ、エシャロットの薄切り、ブーケ・ガルニ、液体1リットル当たりに塩8gを加え、弱火で3時間から4時間煮ます。そのまま冷まして殻から出します。

殻は、殺菌剤を入れた湯で30分煮て、良く水を切ってから使用します。

エスカルゴの代表的な料理

エスカルゴの料理で、すぐに思い浮かべるのはやはり殻の中にガーリック・バターと供に詰め、オーヴンで焼いたEscargots à la Bourguignonne(エスカルゴのブルゴーニュ風)でしょう。

材料

下処理をしたエスカルゴの身 6個、殺菌したエスカルゴの殻 6個、パン粉 少々。

ブルゴーニュ風バター(色々な配合がありますが、ここではスリジェの配合を紹介します)

上質の無塩バター 500g、エシャロット 20g、ガーリック 20g、アーモンド・プードル 20g、パセリ 45g、塩 15g、胡椒 7g。
 
  *ポマード状にしたバターに塩、胡椒を混ぜ合わせ、残りの材料をすべてみじん切りにして加え、良く混ぜ合わせます。

作り方

  エスカルゴの殻にブルゴーニュ風バターを少し詰め、エスカルゴの身を詰めます。更にブルゴーニュ風バターを詰めます。エスカルゴティエール « escargotière »に並べ、パン粉を振りかけ、高温のオーヴンで焼き,熱い内に供します。召し上がる時には、エスカルゴ専用のフォーク、トングで食べると,身を取り出しやすいでしょう。

     Escargots à la Bourguignonne
         エスカルゴ、ブルゴーニュ風

      (この写真は、オーヴンに入れる前の物です。)

 現在、スリジェで提供しているエスカルゴ料理

  Escargots et Sazaé en Cocottesail,curry,roquefort
 エスカルゴとさざえのココット焼き、ガーリック、カレー、ロックフォールの三種の味わい

        (この写真は、オーヴンに入れる前の物です)

エスカルゴとさざえを小さいココットに詰め、ブルゴーニュ風バター、カレー風味バター、ロックフォール・チーズ風味バターと三種ノバターを詰め,高温のオーヴンで焼きます。エスカルゴの殻に入れないので、洋服を汚す事も無く、非常に食べ易く仕上げています。ブルゴーニュ風と同じ様に、身を食べた後、残ったバターをパンにしみ込ませて召し上がるのが、美味しく食べるコツです。

スリジェのグランド・メニューに載せていますので、ア・ラ・カルトでも召し上がる事が出来ます。

どうか、ご賞味下さい。

次回トピックは、現在スリジェで使用している特別な卵。“ミラクル卵”についてお話します。